医師の職場環境は、過酷な労働条件や人手不足などの問題を抱えており、将来的にも不安要素が多いのが現状です。

収入・待遇の問題

長時間労働と賃金の関係

医師の長時間労働は、必ずしも高い賃金に直結するわけではありません。
特に勤務医(病院勤務の医師)の場合、労働時間が長いにもかかわらず、時給換算すると意外に低くなるケースがあります。

例えば、
総合病院の勤務医(30代・内科医)の場合、年収が約1,200万円であっても、週6日勤務・1日12時間労働+当直2回とすると、月の労働時間は約320時間になります。この場合、時給換算すると約3,100円程度です。
これは、一般的な専門職(弁護士・コンサルタントなど)の時給と比べても、必ずしも高いとは言えない水準です。

また、当直手当の低さも問題視されています。
例えば、ある地方病院では、当直1回(夕方5時~翌朝9時)の手当が3万円というケースがあります。

そこで、収入アップのためアルバイトを行う医師もすくなくありません。

一方で、開業医や一部の診療科(美容外科、麻酔科など)では、短時間労働でも高収入を得られるケースもあります。
しかし、こうした高収入の分野は競争が激しく、開業資金やマーケティング戦略も必要になります。

年齢層別給与
32~36歳
72万円
36~40歳
84万円
40~44歳
93万円
44~48歳
108万円
48~52歳
118万円
52~56歳
129万円
56歳~
126万円
時間外手当の割合
32~36歳
17%
36~40歳
13%
40~44歳
11%
44~48歳
12%
48~52歳
8%
52~56歳
6%
56歳~
5%

e-Stat 令和6年職種別民間給与実態調査(時間外手当の割合:時間外手当÷支給給与で算出)

開業医や一部の診療科(美容外科、麻酔科など)では、高収入を得られるケースもあります。
訪問診療の場合、診療報酬が外来に比べて高く設定されているため、必然的に収入も高くなるという仕組みです。
また、賃料や医療機器などの固定費が高くないため、必然的に利益率が上がります。

キャリアアップ(昇進)の難しさ

医師のキャリアアップにはさまざまな道がありますが、病院勤務医としての昇進は決して簡単ではありません。
一般企業と異なり、医師の昇進には専門的なスキルだけでなく、人間関係や組織内のルールが大きく影響するため、難しさを感じる医師も多いようです。

医局制度

医局制度が根強く残っており、昇進には医局内の評価が大きく影響します。
実力だけでなく、派閥や人間関係も昇進に関わるため、優秀な医師でも昇進の機会を得られないことがあります。

年功序列が強い

医師の世界では、年功序列が強く、昇進のスピードが遅いことが特徴です。
一般的な企業では30代で管理職になることも珍しくありませんが、病院勤務医の場合、40代や50代にならないと診療科長や部長になれないことがほとんどです。

経営について学ぶ機会が少ない

部長や院長クラスになると、医療の知識だけでなく、経営スキルやマネジメント能力が必要となります。
しかし、医師の多くは医学に特化した教育を受けており、経営について学ぶ機会が少ないため、経営に携わる業務が出来ない

開業医として独立するには、経営の知識とマネージメント能力が必須です。
具体的には、経営資源の管理(ヒト・モノ・カネ・情報)や経営戦略、スタッフや外部との連携など、どのように運営していくかが重要です。

医師としての理想と現実のギャップ

医療行為の理想と現実

すべての患者に最適な医療を提供し、納得できる治療を行いたい

人手不足や病院の方針で、十分な医療を提供できない場合がある。

患者様の希望(要望)への対応

病院の方針により、患者様が希望する治療が提供できない場合がある

担当患者数が多すぎて、対応しきれない

医師への期待とのズレ

もっと丁寧に診てほしい
もっと、希望を聞いてほしい

患者一人ひとりに丁寧に向き合える

医師は、長時間労働・精神的負担・キャリアの不安など、さまざまな悩みや葛藤を抱えています。
特に、「理想の医療」と「現実の制約」とのギャップに苦しむことが多いようです。

私たち「まるっとけあ」グループでは、医師の働き方を応援しています。

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